地階のパティオから屋上庭園まで連続したスペースの家
3つの緑のゾーンがある、室内の至る所から敷地内外の緑を感じられる住宅です。
道路沿い、斜面地、屋上庭園の3つの緑のゾーン
横浜の閑静な住宅街に位置する住宅です。
南側の隣地は崖と言ってもいいような急傾斜地ですが,濃い緑が残っていました。
敷地はこの急傾斜地と北側にある道路に挟まれた、東西に細長い形状をしており,
崖に対する配慮などから構造はRC造となりました。
また、建て主さんは所謂洋風を好まず,むしろ日本の民家の良いところに注目されていました。
計画としては,この住宅には3つの緑のゾーンを設けてあります。
1つ目は、風致地区として規定の広さの緑地帯を確保する必要から生まれた、道路沿いの緑地です。
道路沿いに塀などを設けず植栽することに拠って、道行く人の目の保養になり、
また、室内への視線のコントロール,緩衝帯となることを考えました。
(計画上,採光のためにどうしても道路側に窓を設ける必要があります。)
窓越しに樹々を眺め,また周囲の風景を眺めることで四季を感じることもできます。
2つ目は南側の斜面地の緑です。この緑を借景できるように2つの大小のライトコートを設け,
コートを介してプライバシーを確保しつつ,採光・通風ができるようにしました。
大きい方のライトコートは、1階の中庭にあるテーブル状のトップライトを介して、
地階へのライトウェルとなることも意図しています。
3つ目はRC造の特性を活かし、陸屋根の上に断熱を兼ねた屋上緑化を行いました。
木造ではフラットルーフの構法、積載荷重などに配慮する必要があるのに対し,
RC造ではそれほど難しくありません。
屋上庭園には建て主さんの好きな季節の花々や木々が植えられていて,
地上には確保出来なかった広い庭を実現しています。日当りも良すぎる程。
地下のオーディオルームから始まって,屋内のストイックなインテリアのスペースの連続、
さらに屋上には思い切り背伸びをして深呼吸できる庭園と、
周囲の緑を取り入れながら様々な「場」の連続を大切にした住宅です。
概要 - SPEC -
建設地 |
横浜市中区 |
用途地域 |
第1種低層住居専用地域(第3種風致地区) |
建築用途 |
専用住宅 |
敷地面積 |
171.56m2(51.9坪) |
建築面積 |
67.45m2(20.4坪)建ぺい率39.32%(40%) |
延床面積 |
174.90m2(52.9坪)容積率73.18%(80%) |
構造規模 |
RC造 地上2階地下1階 |
家族構成 |
2人 |
竣工 |
2008年 |